【西武】高橋光成が597日ぶり勝利投手、23年9月10日以来 打線全体で高橋を援護(日刊スポーツ)
<西武7-1楽天>◇29日◇ベルーナドーム
西武の高橋光成投手(28)が実に597日ぶりに勝利投手になった。
今季は前回登板まで0勝2敗、昨季は0勝11敗。最後の勝利は23年9月10日の日本ハム戦(エスコンフィールド)となり、そこからこの日の勝利まで1966球を要した。
今季5登板目のこの日は初回こそ連続四球のスタートで暗雲が漂ったものの、150キロ前後の直球とスライダー、フォークを投げ込みながら、楽天打線を6回まで散発4安打に抑えた。
3回までに2点を取った西武打線は4回、2死走者なしから下位打線が連続四球をもぎ取り、西川愛也外野手(25)長谷川信哉外野手(22)の連続適時打で3点を加点した。
6回に追加した2点も2死走者なしからのもの。打線全体で高橋を援護した。
開幕4連敗からスタートした西武は4月18日に勝率5割復帰後、貯金も1に。そこから4連敗して失速したかと思われたが、ここに来ての3連勝で再び勝率5割に戻した。
2025年4月29日
埼玉西武ライオンズ vs 東北楽天ゴールデンイーグルス
ベルーナドーム
ライオンズ スターティングメンバー
先発 高橋 光成
1(中) 西川 愛也
2(右) 長谷川 信哉
3(左) 渡部 聖弥
4(一) ネビン
5(指) 中村 剛也
6(三) 外崎 修汰
7(捕) 古賀 悠斗
8(遊) 滝澤 夏央
9(二) 児玉 亮涼
監督 西口 文也
イーグルス スターティングメンバー
先発 古謝 樹
1(二) 小深田 大翔
2(三) 村林 一輝
3(指) 浅村 栄斗
4(一) 鈴木 大地
5(右) 渡邊 佳明
6(左) 阿部 寿樹
7(遊) 宗山 塁
8(捕) 堀内 謙伍
9(中) 中島 大輔
監督 三木 肇
高橋光成は「苦しそうだった」 597日ぶりの白星を演出…正捕手が見せた“機転”(full-Count)
一昨年9月10日の日本ハム戦以来「久々すぎてわけがわからない」
昨季0勝11敗、今季も2敗で白星がなかった西武・高橋光成投手が29日、本拠地ベルーナドームで行われた楽天戦に先発し、6回4安打無失点。一昨年9月10日の日本ハム戦(エスコンフィールド)以来、597日ぶりに勝利投手となった。チームは7-1の快勝を収めた。
「これは貴重なボールですね。どのボールよりも……」。これがプロ通算66勝目の高橋は、ウイニングボールを手に実感を込めて言葉を絞り出した。「久々すぎて、わけのわからない感情になりました。試合後はずっと泣きそうだったのですが、こらえていました。チームメートからハイタッチをしてもらった時や、お立ち台でファンの皆さんからの声援を聞いた時には、危なかったですね。いつ泣いてもおかしくなかったです」と打ち明けた。しかし、群馬のからっ風にあおられながら育った男は、最後まで涙を見せなかった。
立ち上がりは“最悪”だった。初回はストレートが指に引っ掛かりすぎて、先頭の小深田大翔内野手、続く村林一輝内野手に連続四球を与え、早くも内野陣がマウンドに集まった。
「みんなが集まってくれるだけで、力になりました」と高橋は粘る。3番の浅村栄斗内野手をフォークで空振り三振、4番の鈴木大地内野手もフォークで中飛に仕留める。そして渡邊佳明内野手に対しては、6球全てがフォーク。極端な配球で一ゴロに打ち取り、先取点を許さなかった。
すると味方打線がその裏、ドラフト2位ルーキー・渡部聖弥外野手の中前適時打で先制したのをはじめ、6回までに大量7点を奪った。高橋の連敗中は打線の援護も少なく、勝てない一因となっていた。連敗中の援護点は最高でも「4」止まり。今季も過去4試合の援護率(登板中に味方打線が挙げた得点を、9イニング当たりで表した数値)は「1.44」に過ぎなかった。最悪と言える調子の試合で、破格の援護があったのだから皮肉なものだ。
相手がまさかのヒットエンドランを失敗「びっくりしました」
バッテリーを組んだ古賀悠斗捕手は「立ち上がりの光成さんは、真っすぐの制球がばらけていて苦しそうだったので、変化球主体に変えました。光成さんとも、今日は三振を狙うよりも打たせて取っていこうと話し合いました」と明かす。
幸運にも助けられた。1点リードの2回、1死三塁のピンチを招き、打席に左打者の堀内謙伍捕手を迎えた。相手はカウント2-2からの5球目に、三塁走者がスタートを切り、まさかのヒットエンドランを仕掛けてきた。内角を狙った高橋のスライダーは、たまたますっぽ抜けて外角のボールゾーンへ。堀内はバットに当てることができず空振り三振。三塁走者も三本間で挟殺され、西武は際どく無失点でしのいだのだった。バッテリーは「(相手の作戦には)びっくりしました」と口をそろえた。仮に投球が狙い通り内角に行っていたら、最低でも内野にゴロを転がされて同点にされ、試合の展開はまた違っていたかもしれない。
それにしても、2023年までは3年連続開幕投手を務め、エースの座に君臨していた高橋が、20か月近くも勝てなかった苦しさは想像を絶している。捕手として一緒に悪戦苦闘してきた古賀悠は「それでも、苦しい仕草を見せないのが光成さんでした。勝てていなくても、全くぶれずに投げない日もしっかりトレーニングをして、スコアラーさんと話し合いながら相手打者への対策を練っていた光成さんを、ずっと見てきました。相当我慢をされていたと思います。そこが、もともとエースと呼ばれていた人の立ち姿なのだと思います」と述懐。「僕自身も見習うべき姿だと思います」とうなずいた。
高橋は「こういう経験はなかなかできない。ポジティブにとらえて、今後の野球人生につなげていけたらと思います」と苦笑した。転んでもただでは起きない。高橋はこれから、597日間の苦しみの中でつかんだ教訓を結果とともに披露するはずだ。
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