安部さん今回は広島が圧倒的なシェアを誇る針の工場に行ってきたそうですね。
はい、凄い精度を目の当たりにしました。
行きますよ。覇気じゃなくて針!
【安部友裕さん・ディレクター】
「これは何だ?シャーペンの芯じゃないね」
「コイル?何これ?針金?きょうこれは何ですか?」
「手縫い針です」
目の前にピンッと張っている鋼の線は手芸用の手縫い針の原型でした。
最初に2本分の長さに切り分け、針1本を作るのにここから20以上の工程が必要なんです。
「広島針」と呼ばれ、確かな品質を守り続けるものづくりの現場を掘り下げます。
『覇気!安部友裕のツイセキ』
安部さんがやってきたのは安芸太田町にあるチューリップ加計工場。
原田耕太郎社長に案内をしてもらいます。
【原田社長・安部さん】
「手縫い針の先を尖らせる工程です」
「「手縫い針の先を尖らせる?火花がすごい。地道に地道にこうやって出来上がるんですね。針って」
「これで大体5回か6回通しますから。1回じゃないんですね。徐々に砲弾型にしていくんですね」
加計地区は元々、「たたら製鉄」の中心地で広島はおよそ300年前から針の生産が盛んでした。
チューリップの創業は戦後ですが、技術とブランド力を磨き上げ大手の一角に成長しました。
【安部さん・原田社長】
「日本のシェアというのは広島だとどれくらい占めているんですか?」
「広島は98%ですね」
「98%ですか!?ほぼ!えええ」
「ほぼ100%です」
その圧倒的なシェアを支えるのが人と機械が合わさった高い技術力。
糸を通す針穴は特に重要な工程です。
【原田社長・安部さん】
「第一工程でプレスしてこれを成形しているわけですね」
「で、真ん中を切り落とす感じなんですね」
2本分の状態で同時にプレスすることで、幅・わずか1ミリ以下の針に効率的に針穴を入れることができます。
虫眼鏡を使って海外製と見比ると、その差は歴然でした。
【安部さん・原田社長】
「広島の技術すごい。まったく違いますね。穴の大きさ均等さ、こっちの針が太いのに穴が小さいんですよ。海外製は」
「針穴が大きいでしょう」
「大胆なのに繊細」
針穴が大きいにも関わらず、横への出っ張りが少ないことから、布通りがよく、生地にも優しいんです。
【安部さん】
「操作性抜群、西川龍馬選手ばりのバットの操作性。高めも低めも変化球もフォークボールもみたいなね」
この針穴を開ける金型もチューリップが独自に開発しました。
【チューリップ・迫誠志工場長】
「形を作っていた針を作る元になるそのものですね。種類がたくさんあるので1個ずつ作っていって更新をしていっているという形になります」
【原田社長・安部さん】
「これができないといといい針ができないですよね」
「命なんですね」
「命です」
「針の命が今僕の手に乗っているんですけど、野川さん、これ針の命です」
チューリップは、「広島針」以外に500を超える種類の針を製造していて、レース針とかぎ針の分野ではなんと世界シェア50%。
国内のみならず、世界55カ国以上と取引がある世界的な企業なんです。
【原田社長・安部さん】
「こうすると折れるんですよやってみてください」
「折って大丈夫なんですか?」
「大丈夫です。折ってみてください」
「(針を折る)お」
針はそのままの状態だと簡単に折れてしまいます。
800度と200度の異なる温度で加熱をすることで「広島針」の持ち味の硬さと弾力が出てきます。
研磨してメッキを施しずらっと並べると上品な輝きを放ちます。
【安部さん・原田社長】
「めちゃくちゃきれい。芸術品。一本一本を大切にした集合体って今の広島東洋カープみたいです」
「一本一本に個性があるんですけど、輝いているんですよ。だからたくさん見ても輝いている」
「新井監督ですね」
「ありがとうございます」
針工場を新井監督のように指揮する原田社長から安部さんに宿題が・・・
【原田社長・安部さん】
「これをね、こういう風にやってほしいんですよ」
「お好みやきみたいな?」
「お好み焼きですよ」
仕上げの針を並べる作業を体験させてもらうことに・・・
【原田社長・安部さん】
「これ持っておきますよ」
「社長に持っていただくという」
「これで5000本くらいあるんですけど」
「いきますよ・・・あーーーー」
扱いになれた職人に針の向きを直してもらい、ここでも熟練の技を感じました。
【原田社長・安部さん】
「針は道具ですからね。道に備えると言いまして一緒ですよ。磨き上げないといけない。0.2ミリの針を開発しています。現状0.3ミリですが」
「0.2ミリに穴をあける技術も…」
「技術的には可能です」
「針、すごい」
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