選手と監督を兼任 運営資金調達までこなす学生 佐賀大学野球部の「プレイングマネージャー」【佐賀県】 (23/05/24 18:40)

大学野球

佐賀県内のスポーツやスポーツに関する話題をお送りするかちスポ。今回のテーマは佐賀大学硬式野球部です。
創部6年目という若いチームは選手が監督を務めています。いわゆる「プレイングマネージャー」として、チームの練習メニューの考案のほか、運営のための資金調達までこなす学生の姿を追いました。

【佐賀大学硬式野球部選手兼任監督 高重敬太さん】
「プレイングマネージャーとしてやっていく以上は選手としても監督としても能力を高めて頑張りたい」

佐賀市出身、佐賀大学硬式野球部(4年)の高重敬太さん。選手兼任監督、いわゆる「プレイングマネージャー」です。

【3年 西首嶺一さん】
「いつもチームみんなのことを考えて積極的に動いてくれる冷静に背中を見せる先輩」
【2年 橋本花さん】
「メニューとかも考えて下さっていたり、1人1人を伸ばすというか、それをすごく考えている方だなと思います」

佐賀大学硬式野球部の部員は51人。創部は九州の国立大学では最も歴史が新しい2018年です。
現在は7チームが所属する九州地区大学野球連盟北部ブロックの2部で、日本文理大学や、西日本工業大学など7チームの強豪がひしめく1部昇格を目指しています。
準備運動が終わると、高重さんはタブレットを取り出しました。画面にはキャッチボールや守備、バントなどの練習内容と時間の配分が表示されています。

【円陣で話す高重さん】
「守備のメニュー、ちょっとサインプレーとかピックオフとかもいくつか確認したいけん。しっかり盛り上がってやっていこう」

【高重さん】
「今のチームの状況を踏まえ、どの練習がマッチするのかを考えている」

高重さんのポジションはサード。選手としての特徴は。

【3年 山田晋平さん】
「守備はとても上手いと思うし、キャッチングもそうですし、スローも力強い」

柔らかいグラブさばきと、安定した送球でチームを支えます。中学入学と共に野球を始めた高重さん。高校2年の春に佐賀大学硬式野球部への入部の思いが芽生えたといいます。

【高重さん】
「高校の2つ上の先輩が、佐賀大学で硬式野球部を創部されたという話を、丁度進路を考えるタイミングで聞いて、佐賀大学で硬式野球をやろうと思って」

現在、九州地区大学野球連盟に加盟しているチーム数は31。同じリーグで選手が監督を兼任しているのは佐賀大学のみです。

【高重さん】
「試合前だと相手大学の打者の情報とかを一通り頭に入れて、試合中だと打順の巡りを考えて、代打とか選手起用のこととか、試合に出ながらやるというところで、大分慣れては来たんですけど(大変)。家に帰ったらくたくたに疲れているので、ぐっすり寝ているという感じです」

そんな高重さんに趣味を聞いてみると…。

【高重さん】
「野球が趣味なので、すみません。趣味がない」

高重さんは木製バットの購入費やバッティングセンターの利用料金などを稼ぐため、週に3日程、スポーツジムでインストラクターのアルバイトをしています。

【高重さん】
「(木製バットは)1本すごい高くて、ものによるんですけど、1万5000円から2万円くらいします」

【ROYAL FITNESS 江口雄智統括責任者】
「会員さんに対してとても丁寧に教えてくれていて、きびきび動いていますし、挨拶もしっかりできています。(選手兼任監督は)忙しいと聞いていますし、その中でもまたトレーニングとまたアルバイトと、一生懸命頑張っている」

【高重さん】
「こんにちは。井手解体さんに今年度のチームスポンサーの依頼ということでお願いにきました」

選手兼任監督の高重さんにとって、チームの資金調達は大きな仕事です。佐賀市の井手解体は去年4月からチームを支援しています。
国立大学の硬式野球部のほとんどは数十年の歴史がありOB会が運営費を補助しています。歴史が浅い佐賀大学硬式野球部にまだOB会はなく、企業からの支援に頼らざるを得ません。

【高重さん】
「自分たちはスポーツ推薦がないことや、(大学からは)年間2、3万円の補助ということで、中々厳しい状況が続いているんですけど、現在スポンサー企業のおかげで少しずつ改善はしているという状況です」

【井手解体 井手隆彦社長】
「佐賀の学校の子が佐賀大学で野球やりたいって思ってほしいよね。用具購入費とか、グラウンド使用料とか、移動にかかる費用とか、そういったものの一部ですね。(高重さんの)野球に対する思いですよね。野球を通じて佐賀県を盛り上げたいとか、佐賀大学を盛り上げたいとか。だから応援したいなという気持ちになりました」

【高重さん】
「応援するよということを今年度も言っていただいたので、嬉しかったです。大好きな野球をみんなで楽しみたいという思いがあり、そこを県内の企業から応援していただいている」

部に必要な年間400万円から500万円ほどの運営費のうち、300万円ほどは高重さんがスポンサーをまわり集めているといいます。選手として監督として、屋台骨となってチームを支える高重さん。今の目標は。

【高重さん】
「今2部リーグにいるので、1部に昇格して、1部リーグには強豪の私立大学がたくさんいるので、対戦して自分たちの存在を知ってもらうことを目標に1部に上がりたい」

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